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かおりのきおく (第三部)


あじさい。大好き。
花のかおりというよりは、水のにおい。
でもそれが、あじさいのにおい。
私の顔ほどもある大きな花の塊に顔を寄せると、かすかに香ってくる。
そっと触ると、うるうるしっとり。
また見に行きたいな。


日差しを避けて、みずみずしいアジサイの葉裏で一休みカタツムリさん。
水のにおいだから、花が咲いていなくても同じようなにおいがしてる。


確かカシワバアジサイ(柏葉紫陽花)。
あじさいなんだけどね!控えめだけどしっかりと甘い香りがね!するんですよ!
「あじさい = 無臭」 というイメージがあったから、係りの人に教えてもらわなければ嗅いでみようとはしなかったと思う。
それからは、こんな感じのあじさいを見かけると、匂いをかいでみる。
でも香るものと香らないものがある。
見た目は似てても別の種類なのかな?
(奈良県橿原市 久米寺)

ガクアジサイもほのかに香ると見たので、今度みかけたらかいでみようと思う。



お次は苔。
苔大好き。
「苔好き」って言うと、「ええ?カビみたいなもんでしょ!?」って言う人が、わりといる(^^;)
違うでござる!!苔はカビじゃないでござる!!!
水と光で光合成して育っている、平和で綺麗な緑の絨毯でござるよ!!
まあとにかく、こちらも苔のにおいというより、土のにおいかな?
でもそれが、苔のにおい。


とはいえ、苔もカビも水分を好むので、同じような場所に生える事もあり、若干カビ臭かったりする場合もある。
でも苔は太陽大好きなんでござるよ。乾燥するのは嫌いだけど。
(福井県勝山市 白山平泉寺)
※ここの場所がカビ臭かったわけではございません!イメージでございます。


でも基本的には臭くは無いはず。
土と水のにおい。


コンクリートの壁を隙間無くしっかり緑化。とてもすてき。



シソ。青じそ。ジャパニーズハーブ。おなじみのあの香り。
大好き。(薬味的な意味で。)



初夏に植えられたヒヨヒヨっとした稲の苗が、太陽の光を浴びてぐんぐん伸びて、穂に花が咲くと、なんともいえない良いかおりが漂ってくる。
何だか健康になれそうな、そんな感じの香り。

すっかり黄金色になった時の乾燥した香りも好きなんだけど、いい写真が無かった。残念。



く・ち・な・し・の〜 し・ろ・い・は・な〜
という演歌でこの花の名前を知ったので、ついつい演歌的なイメージがついてまわる。
あとは「クチナシ色素」かな。食品の裏書でよく見る。
まあともかく、その香りはとてもいい!

しかし、香りを文字で表すの、とても難しい…。
香りはいろいろなのに、どれも「良い香り」で終わってしまう(^^;)



通勤路の途中のマンションの、サザンカの生垣に巻きついているガガイモの花。
ちょっとヒトデのぬいぐるみっぽいというか、不思議な姿。
見るたび、「レディー・ガガイモ」の文字が頭に浮かぶ。
いや、それは今関係無いな。

このガガイモ、繁殖力が強いらしく、畑をやってる人にとってはありふれた(困った)雑草みたいなんだけど、
私の目に付き出したのはわりと最近で、
前述の場所に見つけて、「何だか見慣れない花が咲いているなあ。結構綺麗だなあ」と思って、
においをかいでみたら(←習性)、とても良い香りだったので、1房持って帰って調べてみて、ガガイモの花と知る。
方向性としては、クチナシの香りから甘さを取って強くしたような、刺激的な感じだったと思う。

ガガイモ自体を知ったのは、花より種が先。
山道で、とても綺麗な銀色の大きな綿毛が飛んでいるのを見かけて、持って帰って(←習性)、それがガガイモの種だと知る。
ケセランパサランとも言われてるらしいですね!とても可愛い。
まあその種が、あちこちに飛んで生えまくって、駆除に困ってる人もいるわけですが!
困っていない私は、通勤路のこの植物の移ろいを、楽しみに見ています。
今年は種をまるごと持って帰ろうって思っていたら、見事に忘れてて、飛んでいく大きな銀色の綿毛と、もぬけの殻を見る事になりました。
来年に期待!



海。 潮のかおり。
(伊勢市 二見浦)


磯のかおり。 っていうか磯臭さ? でもそれが磯のかおり。
磯臭さこそが、その海の生命活動が生き生きとして活発である証なのだとか。


迫り来る波と潮風。


貝殻の破片と海の藻屑。
綺麗な貝殻とか、タコノマクラとか、ビーチグラスとか、探して歩くのが好き。
砂浜散歩楽しい。



金魚すくい。
どっちかって言うと、若干生臭い感じなんだけど、とてもわくわくするにおい。



縁先手水鉢というやつかな?とても綺麗。
しんとした水と草のにおい。
(三千院)


こちらは適当に出ている水。
でも綺麗。


長く生きた木。 いろんな植物が同居して、しっとりとした感じのかおり。


大木にくっついたメスのクワガタ。
カブトムシとかクワガタとか、独特のにおいしますよね。木に住む虫のにおいというか。
とあるキノコの説明文に「カブトムシ臭がする」というのがあるくらい。
(この時は、さすがに顔を近づけてにおいを嗅ぐことはできなかったですが!)
(伊賀市 上野森林公園)



茂る夏草、古びた畳、蚊取り線香。
蚊取り線香のにおいは、「夏」って感じがして好き。
線香の煙がうまく写せたら、もっと良かったんだけど。
(奈良県橿原市小房町 おふさ観音)


こちら線香多すぎで煙出すぎの、台湾のお寺の香炉。
太くて長い線香がびっしり立って、もうもうと煙が上がっております。
むせたり涙目になってる人もいるくらい。 写真も白っぽくなりがち。
信仰心の厚さの表れでございます。



関西空港。
飛行機が着陸した時に、タイヤから煙が上がる。
それが風に乗ってゆっくり移動して、しばらくの後、私がいる所まで届いた。
ゴムの焼けるにおい くさっ!
でも面白い。
これを見てから、自分が飛行機に乗って着陸した時、「今、あのくさい煙が出ているんだな」と思い出すようになった。
がんばれ飛行機のタイヤ。



四日市コンビナート。
蘇るのは、決して「良いかおり」では無いけど、
コンビナート好きな私にとっては、ワクッとなるにおい。
というか、場所によって、いろんなにおいがする。
「一体これは、何のにおい?」
工場面白い。


対岸の四日市コンビナート。
キラキラと美しく輝きます。
川のにおいと、遠く届いて来る工場のにおい。



大阪くいだおれ。
あっちこっちから、多種多様な食べ物のにおいが、ネオンの明かりと共に、怒涛のように押し寄せてくる。



コスモス。
こちらも、花というよりも、葉のにおいなんじゃないかな。
青臭い、いかにも草って感じのにおい。
でもそれが コスモスのにおい。
(なので、コスモスの香りグッズがどうにもピンとこない。)


コスモス畑に近付くだけで、そのにおいが漂って来る。
「ああ、コスモスのかおりだ」って、いつも思う。
合間を歩くと、更にかおりが濃密に。



キンモクセイ。
この甘い香り、大好き!!!
最近は、芳香剤にエントリーされなくてちょっと寂しい。
またそのうち使われる日が来るでしょうね。

匂いが強いので、かなり離れた所からの香りが届く事がある。なので、見渡してみても、本体がどこか、わからない場合も。
声(香り)はすれども姿は見えず。


花の形もとても可愛い。ラブリー。
色も、なんだかみかんキャンディーみたいでおいしそう。

隣の家と、2軒隣の家に咲いていて、咲くと一つまみ貰って来て、部屋と車内に置いて楽しむ。
甘い香りに幸せ気分。


キンモクセイがずらっと咲いている所があるらしい。
ぜひ行って、全身香りに包まれてみたい。



ギンナン。
枝にたわわに実っているのとか、その下におしげもなく転がっているのとか、景気が良くてステキだけど、
くさいよね!!
公園に落ちているのをよく見かける。
うっかり踏まないように、気をつけながら歩きます。
(まあ、いつまでも靴底に残る臭さでは無いような気がするけど。)

くさいけど、鼻をつまむ臭さじゃなくて、「ああ臭い。ギンナン臭い。」と思いながら、しっかり嗅ぐレベル。
不快な臭さじゃないと思う。

一緒に白い小花が散ってるけど、何の花だろうか。何だかとても可愛い。


拾い集めて、水にひたしておいて、果肉をふやかせて(腐らせて?)、中の種(仁)を取り出すのだそうな。
それがまた臭いそうで…。
何とも大変そう!



菊。
秋の花の代表格。
強い花のにおいに少し混じる、葉のにおい。


畑の傍らにあった小さな土山を覆うようにして咲いていた、色とりどりの菊。
とても素敵でいいにおいだった。



土のにおい、苔のにおい、木のにおい、枯葉のにおい。
秋の山のにおい。
きのこの写真を撮っていると、地面との距離が近くなる。
(大台ケ原)






どうどうと音を立てて落ちる滝。水をたっぷり含んだ空気・岩肌・落ち葉の地面。
雨の合間だった事もあり、とにかくひらすらに水のにおい空間。
(長野県上高井郡高山村 雷滝)


水と土…泥のにおい。プラス色とりどりの落ち葉のにおい。


こちらはカツラ(桂)の木の葉っぱ。
葉脈が、うちわみたいに根元から放射状に広がっているのが特徴かな?
一見何てこと無いこの葉っぱ、
何と!
砂糖を焼いた時の甘〜〜〜〜い香りを放つのですよっっっ!!
(ちゃんと成分も同じ)
もしくは醤油を焼いた時のような感じ!

この葉に出会ったのは、秋の軽井沢旅行の時で、
あちこち移動している中で、「何だか時々どこからともなく甘い匂いがするな〜」と感じながらも、その匂いの元を特定できないでいた。
匂いははっきりするんだけど、その側に生えている木をかいでみても、その匂いはしない。
で、次の日参加した自然観察ツアーの時にもその香りがしたので、すかさずガイドさんに教えてもらって名前を知った。
なんと!枝に付いている葉はあんまり匂いがしなくて、落ち葉…しかも雨の後の落ち葉から匂いがするそうな!
道理で木の匂いをかいでもわからなかったわけだわ。
ほんと、幸せになるお菓子の香り。いいにおい〜〜〜〜(*´▽`*)
詳しくは、こちらのサイト様が詳しいです→「木のメモ帳:木の雑記帳 カツラの心地よい甘い香りの葉と穏やかな材

それまで桂の木というもの自体に馴染みは無くて、
「中国のお酒に「桂花陳酒」ってのがあるけど、あれは日本で言う金木犀だしな〜。」
「月桂樹も「桂」の字が入ってるけど、親戚だろうか?」(実際は別種)
というレベルでございました。

偶然に、近場である松阪市のベルファームにこの木がある事を知り、時期を見て行って、撮ったのがこの写真でございます。
雨が降ってたけど、キニシナーイ!香り的には好条件だったんじゃないかな!透明ビニール傘さしてレッツ撮影!
木のある所に近づくだけでいい香りがしてきて幸せ気分。そしてもっと香りを楽しむために、しゃがみ混む(笑)
ベルファームは他にもいろんな植物があるので園内見て回ったんだけど、何だかあっちこっちで、この桂の甘い匂いを感じた。
でも園内に生えているのは2本だと言う。
上記サイト様に、
「この甘い匂いの成分であるマルトールは、かつてカラマツの樹皮やモミの葉から分離されていた」
とありますので、ひょっとしてモミの木など他の木も同様に、いいにおいがするものがあるのかな?
もしくは、香りを求める私の心が感じ取ったまぼろしの香りか(笑)



松阪市飯南町にある「粥見のサザンカ」。
ワクワクする花のトンネル。とても美しい。

ここにサザンカを見に来るまで、「サザンカは無臭だ」と思っていた。
椿の花は香らない → 私は椿とサザンカの区別があんまりつかない → サザンカも無臭なのだ
と、思い込んでいたのかもしれませぬ。

で、このサザンカの噂を聞き及び、見に来て、この木の側に立った時、
香りがね、降って来たのですよ!
ちょっと和菓子のような感じ?
驚いて、近くにいた人(おそらく地主さん)に、「サザンカってにおいするんですね〜!」って言ったら、
「たくさん咲いているからねえ」とおっしゃった。

ここのサザンカの種類が特別においがするものなのかと思い、別の場所でサザンカを見かけた時に気をつけてにおいを嗅いでみたんだけど、
そんな事しなくっても、だいたいどの木も、側にいるだけでしっかりと香りを感じる事ができた。
どうして今まで気付かなかったんだろう。





向こう側の黄色は、散ったイチョウの葉。ステキコントラスト。


よくもまあここまでみっちり咲き乱れられるものだなあ〜〜〜。素晴らしい!


ちょっとフリルの入った花びら。

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